必要経費の判断基準を知ろう
確定申告に必要な知識
個人事業主として税務申告をするにあたり、まずは一年間の収入全体から経費を差し引いて課税の基礎となる所得を計算する必要があります。会社勤めの身であれば手にする給与からはすでに税金も社会保険料も天引きされており、従って丸々自分の自由に使えるお金ということになりますが、フリーランスの場合には自分で税金を納めなければならないのであり、経費として認められる金額が大きければ税率を掛ける課税所得がそれだけ小さくなるためその分税金も安くなるという計算になるのです。
経費
もちろん特定の出費が果たして経費として認められるかどうかという基準は、あらかじめ定められているのであり自分の勝手な都合だけでむやみやたらと経費に算入できるというわけではありません。とはいえフリーランスが仕事絡みの勉強会やイベントに参加するという場合、その参加費用の支払いなどは当然のことながら業務に関連するものといえるでしょう。タブレット端末や高価な専門書籍などもやはり業務に関連して使用するものであるのならば当然のことながら経費として認められるのです。
また、たとえ今現在案件を実際に受任するなどして携わっている業務とは直接的には関連がないとしても、クライアントからその種の新たな依頼を受けることになるかもしれないという将来的なケースに備えて未知の分野であってもあらかじめある程度の情報取集をしたり、研究をしておくために必要な出費というのであれば、やはり正当な経費として認められるものと言えるでしょう。ただし場合によっては見解の相違により税務署が経費として認めないようなものまで経費に計上してしまい、結果として税金を安く計算して納付していたと後から判明したというような時にはその先に追徴課税などが待っているかもしれないという点には充分注意しておく必要があります。
会社との違い
なお、実はサラリーマンであっても平成25年から実施されている「給与所得者の特定支出控除」が認められています。これは、勤務中に着用しなければならないスーツの購入代金や業務に関連して税理士や弁護士などといった資格を取得するための講座の受講費用などが給与の支払者が証明した場合に限られるものの、れっきとした経費として認められるというものです。つまり経費かどうかの判断は実は会社勤めであっても個人事業主であってもそれほど異なるわけではなく、ただ個人事業主とは異なり会社の場合には経費として認められる上限額が設定されているという違いがあるに過ぎません。
すぐに役立つTips集
-
記帳処理はクラウド会計ソフトを使おう
フリーランスエンジニアが面倒な入出金の記帳を一部自動処理できれば負担を軽く済ませるには、クラウドサービスの会計ソフトが便利です。記帳処理はためればためるほど大変になるので、こまめにつけるのがコツです。クラウドならソフトをインストールするなどの手間も不要で、インターネットさえつながればいつでもどこでも空いた時間に帳簿付けができます。月々の費用負担も小さく始められるサービスも増えているので、使いやすそうなものを選んでさっそく使ってみましょう。
-
契約で注意すべき点とは
フリーランスエンジニアが自分の身を自分で守るためには、予期せぬトラブルを防ぐ手立てを契約内容に盛り込む方が良いでしょう。フリーランスになれば案件毎に契約を結ぶこともでてきます。クライアントによって内容も様々でしょう。フリーランスは会社員と違い誰も守ってくれることはありませんので、自分である程度契約に関する内容が理解できるよう知識を身に付けておきましょう。契約を交わした後になって自分が思っていたのと違ったと主張しても遅いのです。
-
基本はエージェント活用
フリーランスエンジニアが独力で顧客開拓に挑むよりも、営業活動をエージェントに任せるという選択も有効です。特にフリーランスになりたてであれば実績も無い状態でしょう。仕事を依頼するクライアントも本当にこのエンジニアに任せてよいか不安になるものです。エージェントはクライアントとの信頼関係もあり、そのエージェントからの紹介ということで受注がしやすくなるメリットがあります。エージェントを使って受注した仕事を実績とし、今後の活動に活かすことも可能になります。